参考情報:健康に関する豆知識:栄養素についてのトピックス

健康に関する豆知識を、参考情報として提供いたします。

※学説や定説は、研究成果や臨床結果などにより日々変更され、進化発展していきます。書かれていることや教えられたことをそのまま鵜呑みにするのではなく、必ずご自身でも調査および勉学を継続し、常にアンテナを立てておくことを心掛けるようにしてください。

三大栄養素とダイエットPART2:ダイエットと【食の改善】

PART1では、ダイエットに入る前に身に付けておくべき【三大栄養素(糖質・脂質・タンパク質)の特徴】についてまとめました。

ダイエットにおいて意識すべきは、食の改善とともに、必ず運動を取り入れて、基礎代謝アップを図ることです。 ポイントをまとめると下記の通りです。

基礎代謝が下がらないよう、必要な栄養素をしっかりと
 食事から摂る。

◇運動により、筋肉量を増やして基礎代謝を上げる。
 有酸素運動により、糖質・脂質を利用したエネルギー
 産生効率を上げる。

基礎代謝を上げるべく、体を“あたためる”。

これがダイエットの基本、というか鉄則です。
つまり、余分な脂肪がつなかいように食の改善を行いつつ、すでについた余分な脂肪を落とすべく運動を取り入れ、基礎代謝アップを併せて行うことが必要不可欠、ということです。

これらを、【食の改善】【運動による基礎代謝アップ】【体を“あたためる”】の3つの切り口から詳しく見ていきましょう。
このPART2では【食の改善】についてです。

食の改善

“必要な栄養素をしっかりと食事から摂る”ことを掲げましたが、それには栄養学的知識を身に付けた上で、食の質を見直す、ことが前提となります。

ポイントをいくつか挙げてご説明いたしますね。

1.糖質を摂りすぎない(ただし極端に減らさずに)。

糖質は消化吸収が早いため、身体にとって即効性のあるメインのエネルギー源です。

なので、一度に摂りすぎて血糖値(ブドウ糖(グルコース)の量)がいきなり上がってしまうと、動脈硬化や糖化による老化など体に害を招くのを防ぐために、血糖値を下げるべく膵臓のランゲルハンス島からインスリンが分泌され、全身の脂肪細胞にグルコースを取り込ませ消費を促進させます。
また、肝臓や筋肉では、グルコース→グリコーゲンの合成を促進し、エネルギー源の貯蔵にはたらきます。

ここで留意しなければならないのは、脂肪細胞に取り込まれたグルコースは運動などで使われないと中性脂肪に変わってしまうことと、肝臓や筋肉におけるグリコーゲンの貯蔵可能容量は300~400g程度であることです。

要は糖質摂取過多は、即体脂肪アップ→太ることに繋がる、ということですね。

個人差はありますが、糖質オフダイエットの観点からは、糖質摂取量を130~150g/日に抑えることが目標値になります。
目安としては、スイーツやお菓子類は避け、主食であるご飯を1食あたり茶碗半分にすることで、この数値に近づきます。

糖質をまったく摂らずに枯渇させてしまうと、エネルギー源を確保するために糖新生というシステムが稼働し、グルコースが生み出されます。
その源となるのは、筋肉のタンパク質が分解されたアミノ酸と、中性脂肪が分解されたグリセロール。

中性脂肪だけが分解されればうれしいのですが、複雑な過程を要し時間がかかることもあり、残念ながら筋肉のタンパク質の分解の方が優先的に進行してしまいます。
過度な食事制限では、体重は落ちても、脂肪よりもむしろ筋肉がたくさん落ちてしまうリスクがあるわけです。

筋肉が分解されることは、基礎代謝ダウンに繋がりますし、糖質の摂取を計画性なく極端に減らすまたは完全にゼロにするのは、体自体のバランスが崩れて体調不良に陥る可能性が高いのでNG、というわけです。

2.GI値を参考にする。

GIとは、Glycemic Indexの略で、訳すと血糖指数です。
単糖類のブドウ糖(グルコース)を100として、各食品の血糖上昇率を数値で表したものです。

主食のGIは下記の通り。
・食パン:80
・白米 :70
・玄米 :55
・パスタ:55
・ライ麦パン:40

GI値が高いほど、糖質の消化吸収が速く血糖上昇率が高いことを指します。

前述の通り、血糖値が急激に上がるとインスリンが分泌されて、余分な糖質は脂肪細胞に中性脂肪として蓄えられてしまいます。
ですので、この値が低い食材ほど太りにくい食材、ということになります。

ただし、これはスピードの話であって、摂りすぎると中性脂肪として蓄積されてしまいますし、個人差も大きいので、GI値を参考に血糖値を意識しつつ、原則として糖質摂取過多は回避する、に留意するようにしてください。

上記の食材について補足しますと、食パンは実は砂糖もたっぷり含んでいますので、避けた方がよいです。
白米も量を減らし、野菜やタンパク質を多く含む副菜を増やす方向に修正するのがベターです。

ちなみに脂肪細胞への蓄積が飽和状態に達すると、一時的に体重がそれ以上増えなくなります。
でもそこで安心してはいけません。なぜならそのうち脂肪細胞が増殖し、キャパがアップしてしまうからです。
さらに脂肪を溜め込める状態ができ上がってきてしまい、さらなる肥満に繋がりますので注意する必要があります。

3.良質のタンパク質(アミノ酸スコアの高い食材)および脂質(オメガ3とオメガ9)をしっかり摂る。

基礎代謝の約25%(~40%)は、筋肉によるエネルギー代謝です。
そしてその筋肉はタンパク質でできています。

タンパク質は、日々スクラップ&ビルドを繰り返し新陳代謝がなされています。
1日に約2~5%が新陳代謝され(アミノ酸に分解されて新たなタンパク質再合成され)ますが、アミノ酸の再合成率は70%なので、ダイエット中にタンパク質まで制限してしまうと、筋肉が再合成されずに落ちて基礎代謝が落ち、ゆくゆくはリバウンドを招くことになります。
前述の糖新生の観点もあります。

なので、良質なタンパク質をしっかりと摂る必要があります。

良質なタンパク質とは、体内で作れない9種の必須アミノ酸(特にBCAA)を多く含む食材(アミノ酸スコアの高い食材)を言います。
おすすめなのは、納豆や豆腐などの大豆系食材、ビタミンC以外の栄養素をバランスよく含む鶏卵です。

お肉から摂る場合は、鶏肉をおすすめします。
なぜなら鶏肉の脂質は、不飽和脂肪酸のオレイン酸を多く含んでいるからです。

次に不飽和脂肪酸のリノール酸を多く含む豚肉。
リノール酸は酸化しやすくがんの原因にもなる過酸化脂質を生成しやすいので、摂り過ぎは禁物です。

逆に避けた方がよいのは牛肉。
なぜなら牛肉の脂質は、半分以上が飽和脂肪酸だからです。

飽和脂肪酸の摂り過ぎは、成人では老化に繋がったり、動脈硬化を招いたり、融点が高いことから血行不良を招いて代謝ダウンや冷えを招いたり、大腸で腐敗すると毒素であるアンモニアを多く発生させたりと(毒素処理・排出を担当する肝臓や腎臓にも負担がかかる)、健康上のデメリットが多いことを頭に入れておいてください。

ベーコンやソーセージなどの食肉加工品も避けた方がよいです。
塩分過多になることも理由のひとつですが、最も大きな理由は食品添加物が多く含まれているからです。
特に発色および細菌繁殖抑制目的で添加されている亜硝酸ナトリウムは、食べ合わせによっては発がん物質ニトロソアミンの生成を促してしまうので、注意が必要です。

その点魚肉なら、良質のタンパク質だけでなく、脂質も健康によいとされる不飽和脂肪酸のDHAやEPAなどオメガ3脂肪酸を豊富に含んでいるので安心です。
ただし、マグロは水銀などの重金属類を多く含んでいるというデータもありますので、サーモンやイワシがおすすめです。

前述の通り、しっかり食べないと活動エネルギーを産生するために筋肉が分解されてしまい、基礎代謝が落ちて、リバウンドを招く要因となります。
ですので、必須アミノ酸(特にBCAA)を含む良質なタンパク質および脂質の摂取を心掛け、日々継続し続ける必要があります。

単に食事の量を減らすのではなく、食材に含まれる栄養素を吟味した上で、自分に合った摂取量を見い出し、食の改善という観点を持つことが大切です。

参考までに、下記は以上を踏まえての私の食事例です。
運動量とご飯の量次第で、5~7日間で脂肪がついたor落ちたの実体感があります。

朝食:
・味噌汁(具:ワカメ、豆腐、ニンジン、ダイコン、
 ナメコなど)
・菜の花のお浸し
・ご飯(拳の大きさ程度)
・サプリメント(ビタミンCビタミンDオメガ3
 運動する日はコエンザイムQ10
昼食:朝食の残りの味噌汁でおじや
・キャベツ1.5枚を具材に追加
・卵1~2個
・チーズ
・ご飯(拳の大きさ程度)
夜食:お肉の香草焼き
・鶏モモ肉or豚ロース
・付け合せ野菜炒め(ニンニク、ニンジン、タマネギ、
 ピーマン、ジャガイモ、シメジなど)
・生野菜サラダ(トマト、キュウリ、レタスなど)
・納豆
・ご飯(拳の大きさ程度or摂らない)
・サプリメント(ビタミンC

夜のおかずの量は、ジムで運動をした日としない日とで量を変えています。

今回は割愛しましたが、三大栄養素が体内で消化・吸収され、代謝(同化・異化)される過程では、必ずその触媒としてはたらく酵素および各種ビタミン(補酵素)、ミネラルが必要になります。
ビタミン・ミネラルは、生野菜またはサプリメントから摂るのがおすすめです。

三大栄養素の特徴を把握し、栄養学の観点から各食材や料理に含まれる栄養素を鑑みながら、必ず運動を取り入れて、ダイエットを行ってくださいね。

written by staff M.Uchida
2018.06.19更新
2016.07.14

【保有資格】
・健康経営アドバイザー
・米国ISNF認定 サプリメントアドバイザー
・NPO日本食育インストラクターPrimary
・AEAJ認定 アロマテラピーアドバイザー
・NHA認定 ハーバル・フード・マイスター